言葉が遅い子どもにおすすめの絵本で発語をサポート|親子で楽しみながら言葉の成長を引き出す読み聞かせ術

青空と芝生と木々の緑
発達障害

「うちの子は言葉が遅いのかな?」と心配になる親御さんは少なくありません。

子どもの言葉の発達は個人差が大きく、適切なサポートが必要です。

そこで今回は、言葉が遅いお子さまにおすすめの絵本選びや活用方法について、分かりやすくご紹介します。

絵本を使った発語の促し方や家庭での具体的なアプローチ、年齢や発達段階別の選書ポイントなど、役立つ情報をまとめています。

お子さまにぴったりの絵本と出会い、親子で楽しみながら言葉の力を育てていきましょう。

言葉が遅い子どもにおすすめの絵本選びガイド

青空と木々が並ぶ公園の芝生広場

子どもの言葉の発達には個人差があり、言葉が遅いと感じるときは家庭でできるサポートも大切です。

中でも絵本は、楽しみながら発語を促せる身近なツールです。

どんな絵本をどのように選び、活用すると良いか、さまざまな視点からご紹介します。

発語を促すために意識したい絵本の特徴

言葉が遅い子どもに適した絵本には、いくつかの特徴があります。

優しい言葉づかいで、短いフレーズが繰り返される絵本は、言いやすく記憶に残りやすいです。

イラストが大きく、ストーリーが単純な絵本は子どもが理解しやすく、発語につなげやすくなります。

また、動物や食べ物など子どもが興味を持ちやすい内容や、リズムと音の楽しさを感じられるものもおすすめです。

実際に人気が高いおすすめ絵本一覧

言葉が遅い子に人気が高い絵本を厳選しました。

  • 「だるまさんが」(かがくいひろし)
  • 「じゃあじゃあびりびり」(まついのりこ)
  • 「もこ もこもこ」(谷川俊太郎/元永定正)
  • 「いないいないばあ」(松谷みよ子)
  • 「くだもの」(平山和子)

どの絵本も短い言葉や擬音語、繰り返し表現が多く、子どもから自然と声が出やすい工夫がされています。

絵本を使った家庭での発語アプローチ例

絵本の時間をより発語を促すものにするために、家庭でできる工夫もあります。

アプローチ 具体的なコツ
一緒に読む 親がゆっくりと読んであげ、言葉をまねするよう促す
指差ししながら読む 絵や登場人物を指差しながら言葉を添える
言葉を待つ 子どもがページのフレーズを言うまで少し待つ
楽しい雰囲気を作る 褒めながら読む。子どもが発語した時は大げさに喜ぶ

子どもの反応やペースを大事にしながら、焦らず楽しく続けましょう。

選び方で重視したいポイント

絵本を選ぶ際は、言葉の「短さ」「繰り返し」「リズム感」を意識すると発語しやすくなります。

子どもが興味を持ちやすいテーマや好きなキャラクターも大切です。

また、子どもが触れてめくりやすいサイズや紙質もチェックしましょう。

実際にお子さんと一緒に本を選ぶと、よりお気に入りが見つかります。

年齢別・発達段階別のおすすめ絵本

子どもの年齢や発達段階によっておすすめできる絵本は異なります。

年齢・段階 特徴 おすすめ絵本例
0歳~1歳 音やリズム重視。イラストが大きくはっきりしている 「じゃあじゃあびりびり」
1歳~2歳 簡単な単語やフレーズ。繰り返しが多い 「いないいないばあ」「だるまさんが」
2歳~3歳 少し長い言葉・簡単なストーリー 「もこ もこもこ」

子どもの様子を見ながら発達段階に合った一冊を選びましょう。

子どもの性格や好みに合わせた絵本選び

子どもによって興味や性格もさまざまです。

活発な子には動きのあるストーリーや擬音語が多い絵本、じっくり観察するのが好きな子には写真や写実的なイラストの絵本がおすすめです。

好きな動物や乗り物など、子どもが普段よく話題にするものが出てくる絵本を選ぶのもポイントです。

親子で会話しながら「次はどの絵本にしようか」と選ぶ時間も、発語やコミュニケーションの良いきっかけになります。

言葉が遅い子どもに絵本を読むメリット

青空と雲と新緑の枝

言葉が遅いと感じる子どもには、絵本を読むことでたくさんのメリットがあります。

絵本を通して日常ではあまり使わない言葉に触れることができたり、ストーリーの中で自然に会話ややりとりに親しむことができます。

また、親子で一緒に絵本を読む時間は、子どもの心も安らぎ、お話への関心を高めるきっかけにもなります。

ここでは、絵本が言葉の発達にどのような良い影響を与えるのか、その代表的なメリットについてご紹介します。

語彙力の向上

絵本には様々な場面やキャラクターが登場するため、子どもは自然に新しい単語や表現に出会うことができます。

親が読んであげることで、難しい言葉も一緒に意味を確認したり、使い方を学んだりできるのが特徴です。

特に言葉が遅い子どもには、繰り返し同じ絵本を読むことが効果的です。

  • たくさんの単語や言い回しを吸収できる
  • 物の名前や感情の表現が増える
  • イメージと結びつけて言葉を覚えやすい

絵本を読む時間が増えるほど、子どもの語彙はどんどん広がっていきます。

発音やリズム感の習得

絵本にはリズミカルな文章や繰り返しが多く使われています。

これは子どもにとって、発音や話し言葉のリズムを学ぶ絶好の機会です。

発音・リズムのポイント 絵本から得られる効果
繰り返しフレーズ 正しい音やイントネーションが身につく
簡単な韻やリズム 楽しく言葉を真似できる
楽しさ 自然に声を出すことが増える

親の読み聞かせを聞きながら、言葉をまねしたり声を出す楽しみも味わえます。

これらが積み重なることで、話す力や自信につながっていきます。

親子のコミュニケーション強化

絵本を読む時間は、親子がじっくり向き合う特別な時間です。

子どもは安心した気持ちの中でお話の世界を楽しみ、親と一緒に言葉をやりとりする経験を重ねます。

絵本をきっかけに、子どもが「これはなに?」「どんなお話だった?」と自然に質問したり、自分の思いを伝える機会も増えます。

気持ちを共有しながら楽しく会話することで、信頼関係も深まります。

言葉が遅い子の成長には、こうしたコミュニケーションの時間がとても大切です。

言葉が遅い子ども向け絵本の読み聞かせコツ

青空と太陽と若葉の木漏れ日

言葉が遅いお子さんへの絵本の読み聞かせは、ほんの少し工夫を加えることで、子どもが言葉に興味を持ちやすくなります。

単純に読むだけではなく、親子でやりとりしたり、同じフレーズを繰り返したりすることで、子どものことばの力を伸ばすことが期待できます。

以下のコツを押さえることで、毎日の読み聞かせがもっと楽しく、効果的になります。

ゆっくり・はっきり読む工夫

言葉が遅いお子さんには、普段よりも意識してゆっくり、そしてはっきりとした発音で文章を読みましょう。

大人が思うよりも子どもはことばを理解するのに時間がかかるため、急がず一文ごとに間を取ることもポイントです。

抑揚をつけて読むことで、子どもの注意が絵本や言葉に向きやすくなります。

声の大きさや発音を意識して、子どもが音の違いを聞き分けられるようにしてあげると良いです。

例えば、動物の鳴き声や「わんわん」「ブーブー」などの擬音語は、顔の表情や身振りを交えて強調して読んでみてください。

子どもの反応を引き出す声掛け

読み聞かせの途中で、子どもの反応を待ったり声をかけたりすることで、より言葉を使いたくなる雰囲気を作りましょう。

  • 「これ、なんだろうね?」と絵本のイラストに目を向けさせる
  • 「ぞうさんは何て鳴くのかな?」と問いかけてみる
  • 子どもの発言やジェスチャーを受け止めて、「そうだね、これはりんごだね」と肯定する

子どもが言葉で答えられなくても、指さしや表情などで反応したらしっかり認めてあげましょう。

親子のやりとりを積み重ねることで、子どもが自分から言葉を使いたい気持ちが育ちます。

繰り返し言葉を意識的に使う方法

繰り返し出てくるフレーズや単語が多い絵本は、言葉が遅めのお子さんにとてもおすすめです。

繰り返しの例 工夫ポイント
「くまさん、くまさん、こんにちは」 声の調子を変えて2回繰り返して読む
「ぴょーん、ぴょーん」とジャンプする言葉 子どもと一緒に体を動かしながら繰り返す

同じ言葉を何度も耳にすることで、子どもは自然とその表現や音を覚えていきます。

毎回同じ絵本を選ぶのも良い方法ですし、覚えてきた様子があれば「ここはどう読むんだっけ?」と促してみましょう。

繰り返し言葉のリズムや音が楽しい絵本を選ぶと、子どもも自発的に声を出したくなる機会が増えます。

絵本以外で言葉が遅い子どもの発語を促す方法

青空と芝生と木々の自然風景

言葉が遅いお子さんには、絵本以外にも発語を促すさまざまな方法があります。

日常生活のなかで意識的にコミュニケーションを取ったり、遊びや知育を通して言葉とかかわる環境を整えることが大切です。

子どもが楽しく参加できることがポイントなので、無理せずリラックスした雰囲気で取り組みましょう。

日常会話でのサポート

日常の何気ない会話が、子どもの言葉の発達にとても大切です。

子どもの目線に合わせて、ゆっくり分かりやすい言葉で話しかけましょう。

お子さんが指さしをした時には「これはリンゴだね、おいしそうだね」と言葉を添えるのがコツです。

質問攻めにするのではなく、お子さんが話したい気持ちをやさしく引き出すように気をつけます。

会話を促進するためによく使われるフレーズの例を表にまとめました。

シーン おすすめの声かけ
おもちゃで遊ぶとき 「ブロックを積んでみようか」
外でお散歩 「お花が咲いてるね、何色かな?」
食事のとき 「このおかずは何だろう?」

たくさん会話をした日には小さな成長を見つけて褒めてあげましょう。

知育玩具の活用

知育玩具は、指先を使いながら自然に言葉に触れることができるアイテムです。

おままごとセットやパズル、動物や乗り物などのブロックは、親子で遊びながら実際の名前や動作を声に出すきっかけになります。

おすすめの知育玩具をいくつかピックアップします。

  • ブロックや積み木で形や色を学ぶ
  • 絵合わせカードで単語を覚える
  • ボタンはめやひも通し玩具で指先と会話を連動させる
  • ごっこ遊びセットでやりとりの言葉を増やす

使うときは「これは何色かな?」「どれを積む?」など、問いかけながら進めると自然な発語につながります。

何度も遊ぶことで言葉が定着しやすくなります。

五感を刺激する遊びの工夫

五感を刺激しながら遊ぶことで、言葉の学びも一層楽しくなります。

外遊びでは風や虫の声に耳を澄ませて感じたことを言葉にしてみましょう。

粘土やお絵かきなど手や体を使う遊びも、色・形・感触など多くの語彙とつながります。

また料理のお手伝いや一緒に音楽を楽しむことも、聞く・見る・嗅ぐ・触れる・味わう体験を通じて語彙が増えやすくなります。

下記のような工夫を取り入れてみてください。

  1. 散歩中に「葉っぱの音」「鳥の声」などを言葉にする
  2. 粘土遊びで何を作っているか親子で話し合う
  3. 一緒に歌を歌ってリズムと言葉を楽しむ

様々な体験を通して、自然にたくさんの言葉に触れる機会を増やしていきましょう。

親子で絵本を楽しむ時間が成長の大きな一歩に

若葉のモミジの葉と木漏れ日

親子で絵本を読む時間は、子どもの言葉の発達にとても大切な役割を果たします。

ゆっくりとページをめくりながら、絵を指差したり、一緒に声に出して読んだりすることで、子どもは様々な言葉や表現に自然と触れることができます。

たとえ今は他の子よりも言葉が遅く感じても、親子で絵本の世界を楽しむことで、子どもは安心感をもって言葉に親しむことができるようになります。

特におすすめしたいのは、子どもが興味を持ちやすい繰り返しの多い絵本や、やさしい言葉で語りかける内容の絵本です。

親が表情豊かに読んであげたり、子どもが好きな場面を何度でも読ませてあげたりすることで、「こんな言葉があるんだ」「こういう表現があるんだ」と自分のペースで吸収できる時間になります。

毎日少しの時間でも、親子で絵本を読む習慣を持つことで、子どもは言葉に対する苦手意識を持たず、楽しく成長していくことができます。

お子さんのペースを大切にしながら、絵本を通じてたくさんの「ことば」と出会う時間を、ぜひ楽しんでください。

発達障害