「なぜうちの子は学校に行きたがらないのだろう…」と、不登校に悩む母親の方は決して少なくありません。
自分の関わり方や不登校と母親の特徴が子どもにもたらす影響を考え、不安や自責の念を抱いている方も多いでしょう。
この記事では、不登校の子どもの母親によく見られる特徴や、その関わりが子どもに及ぼす影響を具体的に解説します。
さらに、母親自身が陥りやすい行動や、今すぐ実践できる改善策、家族でできる支援の方法についてもご紹介します。
母親としてどう向き合えばよいのか、そのヒントを知りたい方は、ぜひ続きをお読みください。
不登校の母親に見られる特徴

不登校の背景には、子どもだけでなく母親にもさまざまな特徴や傾向が見られることがあります。
家庭環境や親子関係の中で、無意識のうちに影響を与えていることも少なくありません。
ここでは、不登校の母親に見られる特徴について詳しく見ていきます。
過干渉な関わり
子どもが自分で考えて行動を決める前に、母親が過度に指示や助言をしてしまう場合があります。
「あれはこうした方がいい」「これはやめなさい」など、先回りしてアドバイスをすることで、子どもの自主性を奪うことにもつながります。
その結果、子どもが自分に自信を持てなくなったり、親の顔色をうかがうようになることもあります。
過保護な育児
しっかりと子どもを守りたいという気持ちから、危険や困難を先回りして排除しがちになることがあります。
例えば、転ばないようにずっと見守る、友達関係のトラブルにすぐ介入するなども過保護の一例です。
- 毎日の送り迎えや身の回りの世話をすべてやってしまう
- 子どもが困難に直面した際、親がすぐに手助けする
- 勉強や宿題のサポートが過度になる
過保護な育児は子どもが自分の力で成長する機会を奪い、問題解決能力を育てにくくなる可能性があります。
子どもの意見を受け入れない姿勢
子どもの考えや希望をしっかり聞き取らず、親の意見を優先してしまうことがあります。
「あなたのため」と善意で行動することが多いものの、子ども自身が自分の気持ちを伝えることができなくなることもあります。
積み重なることで親子関係に距離ができ、子どものストレスの原因になる場合もあります。
感情的な対応
子どもの行動に対して怒りや不安、イライラなど感情的に反応してしまうことがあります。
ときには理由もわからず叱ってしまったり、気持ちが不安定な言動につながることがあるのです。
感情的な対応の例 | 子どもの反応例 |
---|---|
大声で叱る | 萎縮してしまう、気持ちを話せなくなる |
ため息や無言で責める | 自己否定感を強める |
急に泣き出す | 困惑して不安になる |
感情的な対応は、子どもが心を閉ざしてしまう原因になることもあります。
他人の目を過度に気にする傾向
「周りの人からどう見られているか」を気にしすぎてしまう母親も少なくありません。
他の家庭や子どもと自分を比べて落ち込むことや、不登校を「母親の責任」と感じてしまうケースもあります。
このため、子どもの本当の気持ちに向き合うことが難しくなることがあります。
学歴や成績への強いこだわり
「いい学校に入ってほしい」「成績を上げたい」といった気持ちが強くなりすぎると、子どもへのプレッシャーが大きくなります。
とくに学校生活や成績に重きを置きすぎると、子どもが逃げ場をなくし、不登校につながることも考えられます。
子どもの個性やペースを認めてあげることも大切です。
母親自身の自己肯定感の低さ
自分に自信が持てない母親は、子育てにおいても不安や迷いを感じやすくなります。
そのため、子どもに対して必要以上に厳しく接したり、逆に甘やかしすぎたりすることもあります。
自己肯定感を高めることで、子どもへの接し方にも前向きな変化が生まれることがあります。
家族内でのコミュニケーション不足
日常的な会話や気持ちのやりとりが少ない家庭では、子どもが悩みを話しにくくなります。
母親だけでなく、家族全体のコミュニケーションが希薄だと、子どもが孤独を感じやすくなり、不登校につながる場合もあります。
日々の小さな会話を大切にし、家族みんなで子どもを支えていくことが求められます。
不登校と母親の特徴が子どもに与える影響

不登校の子どもに大きな影響を与える存在のひとつが母親です。
母親の性格や言動、子どもとの接し方次第で、子どもの心の状態や行動パターンに様々な変化があらわれます。
特に母親の特徴や関わり方は、子どもの自信や自立心、精神的な安定、さらには親子関係の質にまで深く関わっています。
ここでは、母親の特徴がどのように子どもたちに影響を与えるのかについて見ていきましょう。
子どもの自己肯定感への影響
母親が子どもの気持ちを肯定的に受け止めたり、努力や成長を認めたりすることで、子どもは自分に自信を持つことができます。
一方で、母親が過度に否定的だったり、期待を押しつけすぎたりすると、子どもは「自分はダメなんだ」と感じやすくなります。
特に、失敗に対して厳しい言葉をかけたり、他の子どもと比較したりすることが続くと、自己肯定感はどんどん低下してしまいます。
母親の対応例 | 子どもへの影響 |
---|---|
努力を認める声かけ | 自分に自信が持てる |
失敗を過度に責める | 自己肯定感が下がる |
母親の関わり方ひとつで、子どもの心は大きく左右されるのです。
自立心や自主性の低下
母親がなんでも先回りして世話をやきすぎると、子どもは自分で考えたり決めたりする力が育ちにくくなります。
失敗を恐れて子どもにチャレンジさせない、もしくは常に「こうしなさい」と誘導する癖があると、自立心は低下します。
反対に、子どもの挑戦や選択を見守り、必要な時にサポートをする母親は、子どもの自主性を伸ばすことができます。
- すぐに手を貸さず、自分でやらせる
- 選択肢を与えて考えさせる
- 小さな成功体験を大切にする
こうした対応が、子どもの自立心を育みます。
精神的不安やストレスの増大
不登校の子どもは、学校に行けないことで罪悪感や焦りを感じやすいものです。
そんな時、母親が不安や心配を前面に押し出しすぎると、子どもは「自分のせいでお母さんを困らせている」とプレッシャーを感じやすくなります。
また、母親自身がストレスをため込み、感情的に接することが増えると、子どもも精神的に不安定になりがちです。
母親が落ち着いた気持ちで子どもと向き合い、適度な距離感を保つことが、子どもの心の安定には欠かせません。
母親との過度な依存関係
母親が子どもを過剰に保護しすぎると、親子間で過度な依存関係が生まれることがあります。
こうした関係は、お互いの成長を妨げてしまい、子どもの自立を遅らせる要因になります。
たとえば、どんな時も母親がすぐに助けに入ると、子どもは自分で解決する力をつける機会を失います。
依存関係を抱えている親子がよく見せる行動例は次の通りです。
母親の行動 | 子どもの反応 |
---|---|
困りごとにすぐ反応する | 自分で問題解決ができない |
子どもの決定をすべて誘導する | 自分の意見を持てなくなる |
適度な距離を保ち、子どもが自分の意思で行動できる環境づくりがとても大切です。
子どもの不登校に悩む母親が陥りやすい行動

不登校の子どもに悩むと、母親自身も精神的に不安定になりがちです。
そのため、普段は気づかないうちにさまざまな行動パターンに陥ることがあります。
これらの行動は家庭の雰囲気や子どもへの接し方にも影響を及ぼす可能性があるため、自分自身の状態を確認することが大切です。
原因探しに固執する
不登校となると、「なぜ子どもが登校できなくなったのか」と原因を突き止めようとする母親が多く見られます。
最初はサポートのために理由を知りたいという気持ちから始まりますが、いつの間にか「これが原因ではないか」と思い込み、子どもに繰り返し問いただしてしまうこともあります。
こうした過度な原因探しは家庭内の会話が減ったり、親子関係がギクシャクしたりする要因になりやすいのです。
- 学校での出来事を問いただす
- 友達関係をしつこく確認する
- 家庭環境に問題があるのではと不安になる
強い罪悪感や自責感
子どもの不登校が続くと、「自分の子育てが悪かったのでは」と強い罪悪感を抱いてしまう母親も少なくありません。
また、周囲と比べてしまい「自分はダメな親なのかも」と自分を責め続けることも特徴的です。
こうした気持ちは次第に母親自身の気力や体力を奪ってしまうことがあります。
考えやすい気持ち | 日常の行動例 |
---|---|
家庭に非があると考える | 家事に過度な完璧を求める |
自分以外の家庭を羨ましく思う | SNSで他の親子を頻繁にチェックする |
失敗を常に心配する | 子どもを叱ることを極端に恐れる |
変化を恐れて行動できなくなる
不登校期間が長くなると、現状を変えようとすること自体に強い不安を感じてしまう母親もいます。
たとえば、専門家への相談や新しい支援の利用、子どもに対する声かけの仕方を変えることなどが「逆効果になるのでは」と不安でできなくなることが挙げられます。
その結果、問題が解決しないまま時間だけが過ぎてしまうケースも少なくありません。
小さな一歩を踏み出す勇気や、まずは相談できる相手を探すことから始めるのが大切です。
母親に多い不登校対応の改善策

子どもが不登校になったとき、母親ができる対応にはさまざまな工夫があります。
無理に子どもを学校へ行かせようとするよりも、まず原因やきっかけを理解し、気持ちに寄り添うことが大切です。
また、親自身が思い悩みすぎると、家庭内に余計な緊張感が生まれてしまうこともあるため、心の余裕を持つことも意識しましょう。
子どもの話を受け止める姿勢
不登校の子どもに対しては、まず「話をしっかり聴く」ことが重要です。
子どもは自分の気持ちや考えを理解してほしいと思っています。
親が先回りして答えを出そうとせず、ゆっくりと耳を傾ける姿勢を心掛けることで、子どもも安心して本音を話せるようになります。
具体的なポイントは以下の通りです。
- 無理に学校の話題を持ち出さない
- 否定的な反応を避ける
- 子どもの気持ちに共感する
- 話を遮らず最後まで聴く
こうした対応を積み重ねることで、親子の信頼関係が深まり、子どもの心に変化が生まれやすくなります。
親自身のストレスケア
子どもの不登校により、母親も大きなストレスを感じやすいものです。
気がつかないうちに心身が疲れきってしまうこともあります。
こうした時は、自分自身を大切にすることも忘れないようにしましょう。
ストレスケアの方法には、リラックスできる時間を持つ・趣味に没頭する・軽い運動を取り入れる・友人や家族に話を聴いてもらうなどがあります。
ストレスケアの方法 | 期待できる効果 |
---|---|
趣味に没頭する | 気分転換、前向きな気持ちになる |
適度な運動をする | 心身のリフレッシュ |
誰かに気持ちを話す | 不安の軽減、悩みの整理 |
母親自身の心の健康が、家庭の雰囲気や子どもへの接し方にも良い影響を与えます。
家庭外のサポート活用
家族だけで不登校に向き合おうとすると、行き詰まってしまうこともあります。
そうしたときは、積極的に家庭外のサポートを活用しましょう。
市区町村の教育支援センターやカウンセリング、NPOや子育て支援団体など、頼れる場所はたくさんあります。
親自身が情報を集めたり、他の家庭の状況を知ることで新たな気づきが得られることも多いです。
外部の力を借りることは、決して恥ずかしいことではありません。
専門家への相談
家庭だけで対応が難しいと感じた場合は、早めに専門家へ相談するのがおすすめです。
学校のスクールカウンセラーや医療機関、発達相談や児童相談所といった窓口が利用できます。
専門家は多くの事例を経験しているため、具体的なアドバイスをもらうことができます。
子どもが必要とする支援や対応を的確に見極めてもらうことで、今後の方向性が見えてくることも少なくありません。
家族で取り組める不登校の予防と支援

不登校の予防と支援は、家族全体で取り組むことがとても大切です。
母親だけに負担がかかりやすい傾向がありますが、家族が協力して子どもの気持ちに寄り添うことで、安心できる家庭環境がつくられます。
一人で抱え込まず、家族みんなで問題を考え支え合う姿勢が予防や支援につながります。
家庭内コミュニケーションの見直し
日頃から家庭内での会話を意識し、子どもが安心して気持ちを話せる雰囲気づくりが大切です。
親が子どもの話をしっかりと聞き、否定せずに受け止めることを心がけましょう。
例えば、こんな行動がコミュニケーションには効果的です。
- 一日の出来事を家族で話し合う時間を作る
- 「どうして?」ではなく「そうだったんだね」と共感する
- 自分の思いも伝えながら、家族同士がお互いを理解する
お互いの気持ちに耳を傾けることで、子どもは自分を大切にされていると感じやすくなります。
役割分担と父親の参加促進
家庭内で子どもに関することを母親だけに任せず、父親をはじめ家族全員で役割分担を考えましょう。
日常のなかで父親が積極的に子育てや家事に関わることで、母親の負担が減り、家族の一体感も強まります。
父親の参加には次のようなメリットがあります。
メリット | 具体的な効果 |
---|---|
母親の精神的負担が軽減する | ストレスを分担し、リラックスできる |
子どもが多様な視点に触れられる | 柔軟な考え方や安心感を得やすい |
家族一体で問題に取り組める | 孤立感の解消、サポート体制の強化 |
父親が子どもとの会話や学校との連絡などにも参加することで、家庭全体がより協力的な雰囲気になります。
日常生活の安定化
規則正しい生活リズムや、無理のないスケジュールの工夫は不登校の予防や支援に欠かせません。
毎日決まった時間に起きて朝食をとる、十分な睡眠を確保することが基本となります。
家族で話し合いながら、次のような点を意識しましょう。
- 朝食や夕食を一緒にとる家庭内のルールづくり
- スマートフォンやゲームの利用時間を決める
- リラックスできる時間や場所を意識的に設ける
生活の安定は子どもの心の安定にもつながります。
小さなことからでも家族みんなで取り組むことで、不登校の予防と家庭内の支援力を高めることができます。
不登校と母親の特徴に悩む方へのエール

これまで不登校のお子さんと母親の特徴について解説してきましたが、今まさに悩んでいる方へ、心からエールを贈ります。
不登校という状況は、母親として自分を責めがちですが、家庭の中で精一杯、愛情を注いでお子さんのために行動していることをどうか忘れないでください。
子どもそれぞれに個性があるように、母親にもそれぞれ異なる強みや想いがあります。
今は苦しいと感じても、必ずその頑張りはお子さんの心に届いています。
周囲の声や一般論に振り回されず、お子さんの今と向き合う時間が一番の力になります。
どうか一人で抱え込まず、信頼できる人や相談先を頼ってください。
そして何より、お母さん自身の心と身体も大切にしてください。
どんなときも、お子さんを想う気持ちがきっと支えになります。
あなたのその優しさと努力に、深く敬意を表します。
これから先も、一歩一歩ゆっくりで大丈夫です。